ミャンマー在住時に、多くの日系企業の方から、現地で採用したミャンマー人がすぐにやめてしまうとの悩みを伺っておりました。
約3年間、現地のミャンマー人と共に仕事をし、時には友達として接した中で、なぜすぐに仕事をやめてしまうのかを、下記の通り個人的に分析してみました。
ご参考までにご覧頂けますと幸いです。
*これからご紹介するのは私の1個人としての意見です。当てはまらない場合もございますので、温かい目で見て頂けますと幸いです。
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1、仕事に対する意識
日本では、勤続年数約1年は、まだまだ未熟者ではないでしょうか。
しかしながら、私が教えていたミャンマー人スタッフは約1年で、既にマスターしていると考えている傾向があると感じました。
単純な作業の中でもミスが散見される中、既に仕事の流れは覚えているので、完璧であるという意識が基本的に強いと考えます。
何かをミスしたときに、再度同様のミスが起こらないようにどのようにすべきかを考えるという考え方を持っている人は少なく、”誰でも起こるから仕方がない”と考える傾向があるように感じます。
これは、仕事に対する意識の違いから生まれるものではないかと推察されます。
再度ミスを起こさないようにすること、1年では未だマスターしたとは言えないことなどを教え込むことは大変であり、日本人から直接教えると、文化の差を意識され、なかなか理解してもらうのは難しい部分があります。
<対策>
このため、日本の文化もわかるミャンマー人、その会社でのブレインとして育て上げて、その人を軸として、ミャンマー人を教えていくのがベストではないかと考えます。
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2、意見を言えない性格
長年の軍事政権下により、自分自身の意見を自ら発信しないように教育されていたことから、会社、上司への不満などを思っていたとしても、発言できない方が多いように感じました。また、波風を立てることを非常に嫌がる性格が、口を閉ざすことを更に加速させているとも感じます。
このため、会社への不満が募り募って、辞めることへ繋がってしまいます。
では、どのようにして会社の風通しを良くしていくべきなのか。
<対策>
1で上げたブレインを頼りに、現地スタッフとそのブレインとがなるべく深い関係づくりを行うこと。
そのために会社で、気軽に参加できる会を何度か開催し、自身とブレインと現地スタッフで話す機会を多く作ることで、できうる限り風通しの良い会社作りに近づくのではないかと考えます。
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3、受け身の文化
2でお話ししました通り、ミャンマーでは軍事政権下が長かったことで、自分の意見は言えず、上司が言ったことは絶対であるとの考えが強く残っています。
このため、自分で考えず、与えられた仕事をこなすことに慣れており、自分で稼いでいるというよりは、会社から給料をもらっているという意識が非常に強いです。
これが酷くなってしまうと、上司の顔色のみを伺い、言われたことだけをある程度こなし、できうる限り働かずに給料をもらうという悪い考え方の定着に繋がってしまいます。
この考え方が続くと、今の仕事で自分は成長できていない、この会社はだめだ、、、違うところに転職しよう、違うところでは様々なことが挑戦できそうだ!という意識に変わってしまう恐れがあります。
では、どのようにしてこの悪い流れを断ち切るのか。
<対策>
自分で稼いでいるという意識を持たせ、今の会社でも成長していけるのだという考えを持ってもらうことが一番だと考えます。
このため、ある程度仕事ができたと現地スタッフが勘違いしている状態の中で、何度か研修を持たせ、自分の理解は異なっているかもしれないという気づきにつなげること。また、ステップアップ(目標)を明確にさせ、何をどのくらい、どの期間までに達成しなければならないかを認識させるため、何度か面談を持つことが挙げられるかと存じます。
常識的なことなのですが、これを理解してもらうのは非常に難しいと感じます。
以上、3つの項目で説明していきましたが、共通して言えることは、1で触れたブレインの育成が非常に大事になるということです。
しかしながら、ブレインを育てることだけが突破口ではなく、他の方の成功例を見ると、現地スタッフ全員と家族のような関係性を作ってしまうことも1つの解決策であると考えます。
指導の仕方等の細かい部分では難しい面も多くありますが、性格は優しく、素直な方がミャンマー人の中では多いので、個人的にはミャンマー人の方は好きです。
私が駐在で感じたことを基に記載を致しました。当てはまらないこともあるかと存じますが、本記事が、少しでも皆様にとって有益な情報となることを祈っております。☆彡